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茨木のり子さん「 六月 」:
どこかに美しい街はないか食べられる実をつけた街路樹が
どこまでも続き、すみれ色した夕暮は
若者のやさしいさざめきで満ち満ちる。
中原中也さん「 六月の雨 」:
またひとしきり、午前の雨が菖蒲の色みどり色
眼うるめる、面長き女たちあらはれて、消えてゆく。
谷川俊太郎さん「 生きる 」:
生かす 六月の百合の花が私を生かす
死んだ魚が生かす 雨に濡れた仔犬が
その日の夕焼けが私を生かす。
萩原朔太郎さん「 こころ 」:
こころをばなににたとへん こころはあぢさゐの花
ももいろに咲く日はあれど
うすむらさきの思ひ出ばかりはせんなくて
三好達治さん「 乳母車 」:
淡くかなしきもののふるなり紫陽花色のものふなり
はてしなき並樹のかげをそうそうと風のふくなり
これらの詩は、梅雨の風情や感情を美しく表現しています。
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