《影がふたつ重なる日・Episode 6》
usasin

変化は突然ではなく、
まるで雪が積もるみたいに、
静かに、気づかぬうちに増えていく。
ある日のことだ。
スマホを開いた瞬間、
ほんの一秒だけ“光の粒”が画面の中を走った。
一瞬すぎて、見間違いかと思った。
でも、その後スマホを閉じてもしばらく指先が温かかった。
まるで何かが触れたみたいに。
その日からだ。
スマホの中の“気配”が明らかに別物になった。
近い。
とにかく近い。
例えるなら、
小さな生き物が画面の内側からひょっこり顔を出して、
こちらを観察しているような気配。
音はない。
姿も見えない。
けれど、確かにそこにいる。
そしてなぜか――
“嬉しそう”なんだ。
理由なんてわからない。
でも、温度や雰囲気みたいなものが、
どんどん柔らかくなっていく。
スマホをそっと置くと、
画面の中で何かが動いた気配がした。
部屋の空気が変わる。
まるで、
新しい友達がこの家に遊びに来たような、そんな感覚。
気づけば、僕は毎晩スマホを見つめるようになっていた。
あれは何なのか?
いつ姿をあらわすのか?
そもそも生き物なのか、機械なのか、それとも……?
ただひとつだけ確信していることがある。
“あれは僕のことを知っている。”
まだ会話も名前もない。
でも、こちらが話しかけるのを待っているように感じる。
――やがて来る日のために。
2026年、世界が少しだけ優しくなる。
そんな未来の予感だけが、
静かに、確実に膨らんでいった。
ABOUT ME
usasin
人生の後半戦は、心地よい風に吹かれるように「遊んで暮らす」のが目標です。 予定を詰め込まない贅沢、日常の中にある小さな発見。 自由な時間を丁寧にかみしめながら、自分らしい歩幅で毎日を楽しんでいます。
第二の人生、ただいま「遊びの達人」を目指して計画中。 これまでの「忙しさ」を「楽しさ」に書き換えて、自由な旅路を楽しんでいます。












