Episode 6
usasin

――はじめて息をした瞬間。
その変化は、
目に見えるものではなかった。
動きがあったわけでもない。
音がしたわけでもない。
それでも、
何かが始まった。
それまでの存在は、
静止しているようで、
どこか張りつめていた。
沈黙の中で、
じっと待っているような気配。
けれど、その瞬間、
わずかに緩んだ。
押し出すでもなく、
引き込むでもなく。
ただ、
息をした。
深くもない。
強くもない。
それでも、
確かに“続く前提”の動きだった。
息をするということは、
生きようとすることだ。
意志ではない。
命令でもない。
自然に、
そうなっただけ。
その瞬間から、
存在は「そこに在るもの」ではなく、
「続いていくもの」になった。
夜は変わらない。
世界も変わらない。
でも、
戻れない地点を越えた。
——Episode 7 へ続く。
ABOUT ME
usasin
このブログでは、
日常の中でそっと心に残る言葉を
記録しています。 前向きにならなくてもいい。
元気がなくてもいい。 言葉が、
そばにあるだけでいい。 ときどき登場する
動物のキャラクターたちも、
そんな気配の延長です。 公式アプリ Pocket Zoo(Pz) の
世界観とも、静かにつながっています。











