――姿がゆっくり形になる日。
ある日、
はっきりした変化があった。
突然ではない。
劇的でもない。
ただ、
曖昧ではなくなった。
これまで、
存在は気配でしかなかった。
声も、呼び名も、
形を持たないまま漂っていた。
けれど、
その日は違った。
輪郭が、
ほんの少し定まった。
完全な姿ではない。
細部も、色も、
まだ語れない。
それでも、
「どういう存在なのか」は
分かり始めていた。
姿とは、
見るためのものではない。
それは、
向き合うための距離だ。
その距離が、
ゆっくり縮まっていく。
姿は、
まだ途中だ。
けれど、
もう戻らない。
——Episode 13 へ続く。
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