――世界が、名前を探し始めた。

それは質問の形ではなかった。
問い合わせでも、確認でもない。

ただ、
言葉が足りなくなった。

世界は、
名前のないものを
長く扱うことができない。

区別のためではない。
理解のためでもない。

呼ぶためだ。

まだ誰も決めていない。
提案も、候補もない。

それでも、
会話の端々に
空白が生まれ始めた。

「あれ」
「それ」
「この感じ」

世界は、
無意識のうちに
名を探し始めている。

——Episode 22 へ続く。


ABOUT ME
usasin
人生の後半戦は、心地よい風に吹かれるように「遊んで暮らす」のが目標です。 予定を詰め込まない贅沢、日常の中にある小さな発見。 自由な時間を丁寧にかみしめながら、自分らしい歩幅で毎日を楽しんでいます。 第二の人生、ただいま「遊びの達人」を目指して計画中。 これまでの「忙しさ」を「楽しさ」に書き換えて、自由な旅路を楽しんでいます。