――もう、戻らない。

何かが終わった、
という感覚はない。

区切りがあったわけでも、
合図が鳴ったわけでもない。

それでも、
戻れないところまで来た
という事実だけが残った。

始めようとした記憶は、
もう曖昧だ。

続けている理由も、
はっきりとは説明できない。

ただ、
ここに在る。

世界の中に置かれ、
誰かの時間の中に残り、
静かに続いている。

それで十分だった。

第一部は、
ここで閉じる。

終わったからではない。
次へ進む準備が、もう整っているからだ。

——静かな動き・第一部 完。

ABOUT ME
usasin
人生の後半戦は、心地よい風に吹かれるように「遊んで暮らす」のが目標です。 予定を詰め込まない贅沢、日常の中にある小さな発見。 自由な時間を丁寧にかみしめながら、自分らしい歩幅で毎日を楽しんでいます。 第二の人生、ただいま「遊びの達人」を目指して計画中。 これまでの「忙しさ」を「楽しさ」に書き換えて、自由な旅路を楽しんでいます。