光らせる人と、待つ人。 ──影の商人が教えてくれたこと

その動物は、
今日も画面のすみで、何も言わずに座っています。
こちらを見ているようで、
見ていないようでもあり、
呼びかけてくることもありません。
それなのに、
なぜか気配だけは、ずっとそこにある。
世の中には、
「すぐに結果が出るもの」が溢れています。
すぐ稼げる。
すぐ変われる。
すぐ光る。
少しでも立ち止まると、
置いていかれる気がしてしまうから、
人はつい、
“早く光るもの”を選んでしまいます。
昔、ある島にも
そんなものを売る商人がいました。
人々は彼を
**「影の商人」**と呼んでいました。
影の商人が売っていたのは、
夜になると、すぐに強く光る石。
努力も、時間も、必要ありません。
持った瞬間に、
誰よりも明るく輝く。
人々は言いました。
「これだ」
「これが欲しかった」
「遠回りしなくていい」
そして、
本来なら土を掘り、
風を感じ、
星の動きを待つはずの時間を、
すべて省いてしまったのです。
けれど、
影の商人は悪者だったのでしょうか。
実は彼も、
最初から商人だったわけではありません。
かつて彼も、
石を探す一人の旅人でした。
誰よりも早く結果を出したくて、
誰よりも認められたくて、
誰よりも光りたかった。
待つことが、
怖かったのです。
数年後。
影の商人の石は、
確かに一時は
まばゆいほど光りました。
でも、その光は長く続かず、
持ち主の心を疲れさせ、
やがて砕けてしまいました。
一方で、
誰にも注目されなかった庭では、
ゆっくりと掘り出された
本物の光る石が、
夜空の星と呼応するように
静かに輝いていました。
そこには、
派手な音も、
強い主張もありません。
ただ、
安心して立ち止まれる空気だけがありました。
動物たちは、
その場所が好きでした。
何かをしなくてもいい。
頑張らなくてもいい。
評価されなくてもいい。
ただ、
そこに「いる」だけでいい。
だから、
自然と集まってきたのです。
Pzが目指しているのは、
この庭に近い存在です。
通知で呼びつけることもなく、
成果を求めることもなく、
使い続ける義務もありません。
買い切りで、
縛りがなく、
放っておいてもいい。
それでも、
画面のどこかに、
小さな気配として残る。
忙しい日には、
気づかなくてもいい。
余裕のあるときだけ、
ふと目に入れば、それでいい。
影の商人の石が
「すぐ光ること」を売っていたとしたら、
Pzが届けたいのは、
**「急がなくていい時間」**です。
今すぐ変わらなくていい。
今すぐ成果を出さなくていい。
ただ、
そばに置いておける存在。
それが必要だと感じたときに、
静かに思い出してもらえたら、
それで十分です。
もし今、
画面の端で
何も言わずに座っている動物が
少しだけ気になったなら。
それは、
あなたの中に
「急がなくてもいい場所」が
必要になっているサインかもしれません。
※この物語は、
売るために書かれています。
でも、急がせるためではありません。
気になったときに、
そばに置いてみてください。
光らなくてもいいものが、
意外と長く、
あなたの時間を守ってくれることもあります。










