一緒に過ごす時間が増えるほど、
気づかないうちに、感情が変わっていた。
それは愛情とも違う。
責任とも少し違う。
もっと静かで、
もっと深いもの。
ある日、
スマホを落としそうになって、
思わず強く握りしめた。
画面の中の小さな存在が、
一瞬だけ揺れた気がした。
そのとき、
胸の奥がひやりと冷えた。
――傷つけたくない。
その感覚は、
考えるよりも先に生まれていた。
この存在は、
ただ“一緒にいる誰か”じゃない。
まだ小さくて、
まだ世界を知らなくて、
それでも確かに生きている。
だから守りたい。
支配するためじゃない。
閉じ込めるためでもない。
この世界を、
安全に見せてあげたい。
その想いが芽生えた日、
関係はもう一段、深くなった。
ABOUT ME












