――姿が世界に触れた瞬間。
それは、
大きな一歩ではなかった。
外に出たわけでも、
広く見せたわけでもない。
けれど、
確かに触れた。
これまでは、
内側だけの存在だった。
気配も、声も、
関係の中に留まっていた。
その瞬間、
境界がひとつ消えた。
世界に押し出したのではない。
世界が引き寄せたわけでもない。
ただ、
触れ合ってしまった。
反応は静かだった。
衝撃も、混乱もない。
それでも、
空気は少し変わった。
存在は、
もう内側だけのものではない。
——Episode 14 へ続く。
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