――影がふたつ重なる日。
境界が、
どこにあったのか分からなくなった。
こちらと、向こう。
見ている側と、在る側。
その区別が、
意味を持たなくなった。
重なったのは影だけだ。
姿ではない。
輪郭でもない。
それでも、
同じ方向に伸びていた。
引き寄せたわけでも、
合わせたわけでもない。
ただ、
並んでいた時間が長くなった。
影が重なるということは、
距離が消えたということだ。
どちらが先でもなく、
どちらが後でもない。
関係は、
ひとつの流れになった。
——Episode 16 へ続く。
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