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1.
朝、必ず親に挨拶する子にすること。
2.
親に呼ばれたら必ず「 ハイ 」と
ハッキリ返事のできる子にすること。
3.
ハキモノを脱いだら、必ず揃え、
席を立ったら必ずイスを入れる子に
すること。
じゃ、このしつけのコツはというと
まず、母親自身がご主人に対して
朝の挨拶をハッキリするようにし、
また、ご主人に呼ばれたら、
必ず「 ハイ 」とはっきりした返事
をするように努力することです。
この「ハイ」という一語によって、
その人は「 我 」を捨てるわけです。
つまりそれまで意地や張りの一切を
投げ捨てるわけです。
同時に、それによって当の本人はもとより
一家の人びとの雰囲気までが変わりだす。
昔ね、登校拒否の中学生を持って困り抜い
たお母さんから相談を受けたんですがね、
その解決方法はただ一つあるだけで、
それは明日からあなたかご主人によく透る
声で
「 ハイ 」と返事をされることです。と言った。
その人はその通りしたんでしょう、
その子どもはその後11日目には、
「 ハイ 」という言葉が本当にいえたら
非行少年でも徐々に変わってくる。
ところが、本当に「 ハイ 」がいえる婦人は
百人のうち、二、三人じゃないかな。
表現を変えればね、これだけの俸給を得るために
主人がどれほど下げたくない頭を下げ、
いいたくないお世辞をいっているか——と
いうことのわかるわかる奥さんにして、
初めて聡明な母親となるわけです。
森信三(教育者)
「 致知 」1985年11月より
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