ある男が「 天国 」と「 地獄 」を
のぞいてみました。
どちらも綺麗な花が咲き、水が流れ
それはそれは美しい場所でした。
テーブルには、
美味しそうなご馳走も並べています。
しかし「 地獄 」の住人は皆、
ガリガリに痩こけていて、
目は血走り気が立っている様子
「こんなにも美しい世界で、
いっぱいご馳走が用意されているのに
なぜ人々は飢えで
気が狂いそうなんだろう・・・」
やがて食事の時間を知らせる
鐘がなりました。
「 天国 」の住人にも「 地獄 」の住人にも
たった一つ与えられた条件があります。
” 1メートル以上の長い箸を使って
食べなければならない。”
「 地獄 」の住人は鐘がなると
一斉に長い箸をつかみ
我先にと一生懸命ごちそうを
食べようとしてます。
しかし箸があまりにも長すぎるので、
悪戦苦闘、
せっかく箸ですくった食べ物を
落してしまったり、
箸が長するために
隣の人とぶつかり
「食べ物が自分の口に入らないのは
お前のせいだ!」と互いにののしり合い
他人の食べ物を横取りしようとして
けんかばかり・・・
そんなことをしている間に
食事の時間は終了
・・・それは見るに耐えない光景でした。
次に「 天国 」の住人の様子を
見て行きましょう。
皆ふくよかで笑顔が絶えず、
幸せそうな様子です。
「 地獄 」の住人と条件は全く同じ
” 1メートル以上の長い箸を使って
食べなければならない。”
しかし、「 天国 」の住人は
美味しい料理をお腹いっぱい食べる
ことができています。
あなたは、
なぜかわかりますか?
「 天国 」の住人も
いよいよ食事の時間がスタートです。
「 天国 」の住人は、
長い箸で食べものを挟むと
向こう側の人の口に入れて、
あげています。
その人もまたこちらに食べ物を
運んできてくれます。
お互いに仲良く 他の人と
ごちそうを分けあっていたのです。
その長い箸は自分のために使うのではなく
周りを喜ばせるために使っているのです。
そういうことが自然に行われている世界で
した。
だから「 天国 」の住人は、
いつも笑顔を絶やすことなく、
幸せいっぱいなのでした。
天国も地獄も実は同じ場所。
ただ違うのは
「 互いに助け合う心、思いやる心 」
心構え一つで、
そこは天国にも地獄にもなります。